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アマゾンハーブ物語

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2010年 03月 23日

パロサントの精油

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【ウカヤリ通信】

通称"パロサント"又は"リナロエ"は、学名"Bursera delpechiana"と言い、ペルーでは、"コスタ"と呼ばれる太平洋岸沿いの乾燥した地域に多く見られる芳香植物。日本でも良く知られている中東産のフランキンセンスと同じカンラン科。少年院の精油工房は基本的に、ペルーアマゾンとりわけ地元ウカヤリで容易に調達のできる芳香植物の加工生産を想定していますが、今回は例外的に、オールペルーということで、"コスタ"の"パロサント"を試験加工してみました。パロサントの効能は・・・リマの薬草市で見つけた商品のタグ表示によると、"悪運を追い払い、商売、恋愛、健康、勉学に良い"とありました。伝統的な使い方としては、精油を抽出するのはあまり一般的ではないようで、これもリマの薬草市で撮影をしたものですが、下の画像にあるように、ガマガエルの香炉で原木のまま焚いているようです。今回抽出した精油は、日本で科学的な検証を加え、有効性について考察してみたいと考えております。

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# by arcoirisproject | 2010-03-23 12:49
2010年 03月 23日

グリーンナッツ石鹸試作6号

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★ウカヤリ通信★

試作6号の製造を行いました。今回は、S製油様から頂いた試験成績書により、グリーンナッツオイルのケン化価が191であることが判明したので、これを基に苛性ソーダと苛性ソーダを溶く水の量を算出しレシピを作成。手順としては、油脂と苛性ソーダと混ぜたあと、型に入れてそのあと放置することで熟成を行い、油脂と苛性ソーダを石鹸に変える、温度をあまりかけないのでコールドプロセスと呼ばれる手法を踏襲していおります。フレイバーとして、先日絞ったカカオトルタを混ぜております。

# by arcoirisproject | 2010-03-23 11:51
2010年 03月 23日

AOAC INT'L準拠の検査機関がプカルパにも

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【ウカヤリ通信】

現地カウンターパートナーである、NGO KEEPの理事を務めるフェルナンド・ペレス教授の伝手で、プカルパ市内にある"ナトゥーラ・ラボラトリオス・プカルパ"という民間の検査会社とつながることができたので、早速大学の工場で試験製造した3種類のオイルの酸価について、AOAC INTERNATIONALの検査手順に従い実験を実施して頂きました。AOAC INT'Lとは、化学分析法、微生物分析法を中心とした様々な食品検査法の標準化、分析手法のバリデーションを行う、1884年に設立された米国の民間団体で、設立当時の"Association of Official Analytical Chemists"の略称をその名に持ちます。通常、公定法と言えば、FDA、USDA等の国家機関が定めると思われがちですが、米国では食品分野に関しては、公平性及び高い信頼性を獲得するために、産学官協同の民間機関であるAOACによって行われているとのこと。現在では、米国を中心に日本も含め約90ヶ国、4000名以上の会員がおり、ペルーアマゾンはここプカルパにも、その会員組織があったということになります。ナトゥーラ・ラボラトリオスとの連携により、先月のブログでも言及致しました、日本から取り寄せた新兵器との併用で、酸価については、かなりの精度で品質評価を行うことができそうです。とりあえず検査成績書は上の画像の通りで、結果の方は0.72%~1.20%でありました。何はともあれ、スープの冷めない距離に、"AOAC準拠"という信憑性の高い検査機関が見つかったことで、大学工場の品質管理能力強化に向けて、大きく一歩前進できた感があります。

# by arcoirisproject | 2010-03-23 11:22
2010年 03月 19日

グリーンナッツ石鹸・試作3号・・・その後

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★ウカヤリ通信:望月昭宏★

上の画像は、前田京子先生のレシピに忠実に作った試作3号のその後です。仕込みをしてから15日間が経過し、熟成が進んだのか、すっかり石鹸らしく、しっかりと固まって来ました。表面を観察してみると、汗をかいたように、水滴が浮かんでいる。暑いのかな?風通しのよい場所に移してあげた。もう暫くこの状態で観察を続けてみます。

# by arcoirisproject | 2010-03-19 20:48
2010年 03月 19日

糖と油

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★ウカヤリ通信★

サトウキビから作るお酒としては、皆さまご存じのラム酒が有名ですが、実はラム酒の製造方法としては、『インダストリアル製法』と『アグリコール製法』と2つあって、前者は砂糖の製造工場で原料を精製する過程で発生する、糖蜜という副産物を利用する方法で、後者は写真のようにサトウキビを搾ったジュースから作る昔ながらのやり方。市場に流通しているラム酒のほとんどは、インダストリアル製法によるもので、サトウキビジュースから作るアグリコール製法は、かなりの希少であるとのこと。インダストリアル製法がメジャーな理由の一つには、既に"インダストリアル"という呼称からして容易に想像がつきますが、大量生産向きなので製造コストがかなり安くあがるということと、もう一つには、サトウキビは傷みやすいので、収穫後や圧搾工程前後の、素材の品質管理が難しいということのようです。実は、このあたりの話は、オイルの製造にもしっかりと相対していて、当地ウカヤリ大学のモデル工場で日々オイル製造作業に携わる者として、経験則的に十分に納得のできる部分があります。オイルの製造方法について少し説明をしますと、市場で流通しているものの大半は、『精製油』と呼ばれるもので、原料に対しヘキサンと呼ばれる有機溶剤を加えると、原料中に油分が溶け出すので、これを(油の溶けた溶剤)を、蒸留装置で揮発性の溶剤と油分に分離し、油を抽出します。ここで抽出された油には、ガム質・遊離脂肪酸・色素・有臭物質・微細なきょう雑物などの不純物が含まれているので、これらを『精製』と呼ばれる工程に通し、素材を高温や高熱に晒して、取り除いて行くと、最終的に『精製油』が出来上がります。一方、『圧搾法』(又はコールドプレス)と呼ばれる製法は、正にこちらのモデル工場で採用しているやり方なのですが、これが極めてプリミティブな方法でありまして、搾油装置に原料を投入し、緩やかに圧力をかけ、物理的に『搾油』する方法です。精製法ですと、原料に残る油分は1%未満になる(ほとんど残留しない)一方で、圧搾法(コールドプレス)では、原料残油が、勿論素材によって様々でありますが、10~20%もあると言われています。もう一つの相対ポイントとしては、サトウキビの『糖』に対する、グリーンナッツの『油』になりますが、いずれも空気や温度や酸素に触れることで、急速に酸化反応が進行するのが大きな共通項です。サトウキビの圧搾ジュースは、当地のような熱帯気候下で常温放置すると、24時間程度でアルコール度数が4度位になるようですが、これを蒸留し、樽などで寝かせると熟成ラム酒が出来上がります。これは発酵がもたらす商品価値と言うことができます。一方、オイルはと言うと、同様に放置した場合、時間の経過と共に酸化が著しく進行し、品質がどんどん劣化して行きます。油の場合は特に、搾油前の『原料』や搾油後の『油』の保存状態への肌理の細かい配慮がないと、良い品質の商品の製造は難しいと言わざるをえません。

さて、サトウキビに話を戻しますと、下の画像は、このあたりでは、美味しいと評判のサトウキビジューススタンドと、にこやかに圧搾機を回すのは店の看板娘。彼女の父親にあたる店主曰く、サトウキビジュースは鮮度と保管方法がポイントとのこと。特に高温は大敵。圧搾したら直ぐに冷やすのが肝要であるとか。炎天下に頂くキンキンに冷えたサトウキビジュースは、当地における国際協力事業には必携品です。

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# by arcoirisproject | 2010-03-19 20:07